4言語と教育 PR

【日本語教育能力検定】フィードバックと意味交渉/リキャスト、明確化要求、確認・理解チェック、プロンプト

【日本語教育能力検定】フィードバックと意味交渉
記事内に商品プロモーションを含む場合があります。

今日の過去問まとめノートは、フィードバックと意味交渉です。

過去問では、フィードバックと意味交渉に関する問題が、

  • H30-Ⅰ-問題4-問4、5
  • H28-Ⅰ-問題10-問2
  • H26-Ⅰ-問題8-問4
  • R1-Ⅲ-問題11-問2
  • H30-Ⅲ-問題11-問4
  • H30-Ⅲ-問題13-問4
  • H28-Ⅲ-問題13-問5

にありました。

このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下の記事からご覧ください。

このブログを読む前の注意点
【日本語教育能力検定】独学まとめノート(過去問分析)を見る前に知ってもらいたいこと2020年10月日本語教育能力検定合格に向けて、養成講座の先生から教えてもらった効率的な勉強法を実践しています。過去問を元に自分のまとめたノート(解説)を載せています。...

フィードバックの基礎知識

フィードバックは赤本P223、229に載っています。

リキャスト

学習者が間違えた時のフィードバックの1つで、間違えたことを明確に伝えるのではなく、暗示的に示す方法。

例・・・

学習者:週末はとても楽しいでした
教師:そうですか。楽しかったですか。

暗示的フィードバック(暗示的訂正)

誤用をはっきりと指導せず、自然な受け答えの中で正しい用法を示し、学習者自身が自分の誤用に気づくようにさせる方法。
リキャストは、暗示的フィードバックの1つ。

明示的フィードバック(明示的訂正)

誤用をはっきりと指摘して文法の理解を促す方法。

意味交渉の基礎知識

意味交渉は、赤本P223、295に載っています。

意味交渉

ストラテジーの1つで、

  • 明確化要求
  • 確認チェック
  • 理解チェック

から成る。

ロングはインターアクション仮説の中で、意味交渉をすることが、言語習得を促進すると唱えた。

明確化要求

相手の発話が不明確で理解できないとき、発言を明確にするよう要求すること。

確認チェック

相手の発話を、自分が正しく理解しているかどうか確認すること。

理解チェック

自分の発話を、相手が正しく理解しているかどうかを確認すること。

過去問から学ぶフィードバックと意味交渉

口頭訂正フィードバック

  • H30-Ⅰ-問題4-問5
文法・表現など形式面へのフィードバックが主である。

リキャスト

  • H28-Ⅰ-問題10-問2
誤りの後に、会話の流れを保ったまま適切な表現を提示すること。

プロンプト

  • H30-Ⅲ-問題11-問4
学習者に訂正をさせること。



フィードバックと意味交渉に関する過去問の解説

日本語教育能力検定の過去問解説

H30-Ⅰ-問題4-問4 正解:2

学習者に言い直しを求めるフィードバックの名称が問われています。

  1. 直接訂正
  2. 明確化要求
  3. 誘導
  4. 繰り返し

正解は2です。

H30-Ⅰ-問題4-問5 正解:4

発話に対する「口頭訂正フィードバック」について問われています。

例えば、作文のフィードバックだと

  • 構成
  • 談話の流れ

などのフィードバックもできますが、

口頭訂正フィードバックは、

  • 文法
  • 表現

など形式面へのフィードバックが主です。

正解は4です。

H28-Ⅰ-問題10-問2 正解:2

リキャストについて問われています。

  1. 誤りがあったことを知らせ適切な表現を提示すること
  2. 会話の流れを保ったまま適切な表現を提示すること
  3. 間違えた表現を繰り返し、自己修正を促すこと
  4. 「えっ」と聞き返して、自己修正を促すこと

リキャストは、

学習者:週末はとても楽しいでした
教師:そうですか。楽しかったですか。

のようにそれとなく教師が適切な表現を言います。

正解は2です。

自己修正を促すことは、プロンプトと言います。(赤本記載なし)

  • リキャスト・・・それとなく教師が言い直すもの。
  • プロンプト・・・明確化要求、誘導、繰返しなど、学習者に言わせるもの。

(参考:新田豊『2016年 日本語教育の検定問題を解く: 平成28年度 日本語教育能力検定試験 解答と解説 Kindle版』

H26-Ⅰ-問題8-問4 正解:3

インターアクション仮説の意味交渉

  • 明確化要求
  • 確認チェック
  • 理解チェック

に当たらないものが問われています。

  1. 分からない言葉があったときに、もう一度言ってもらう。・・・明確化要求
  2. 分からない言葉があったときに、意味を説明するように頼む。・・・明確化要求
  3. 言われたことについて、より詳細な関連情報を相手に求める。・・・×
  4. 言われたことについて、自分の理解が正しいかどうか相手に求める。・・・確認チェック

3が当てはまりません。正解は3です。

R1-Ⅲ-問題11-問2 正解:4

リキャストの例が問われています。

教師:これを知りたいんですが、どうしたらいいですか。
学習者:インターネットで見る、できます
教師:インターネットで見られますか。

のようにリキャストは、それとなく教師が適切な表現を言います。

正解は4です。

H30-Ⅲ-問題11-問4 正解:4

プロンプトの具体例が問われています。

プロンプトは、赤本も用語集も記載がありませんが、過去問にあるので覚えておいた方が良さそうです。

学習者:湖がとてもきれかったです。
教師:「きれい」はナ形容詞ですよ。
学習者:あ、湖がとてもきれいでした。

のように、学習者に訂正を促すのがプロンプトです。(prompt=促す)

正解は4です。

H30-Ⅲ-問題13-問4 正解:4

意味交渉の例が問われています。

  1. 相手が話していることに興味がないので、話題を変える。
  2. 間違えると相手に失礼なので、敬語の使用を避ける。
  3. 自分の理解が正しいか確認したいので、提示質問をする。
  4. 自分の話が正しく伝わったか心配なので、確認する。・・・理解チェック

正解は4です。

3も正しく見えましたが、提示質問(ディスプレイ・クエスチョン)は、自分が答えを知っていて尋ねる質問なので、意味交渉になりません。

H28-Ⅲ-問題13-問5 正解:3

意味交渉の例として不適当なものが問われています。

  1. 「じゃあ、留学してんですね。」と自分の理解が正しいか確認する。・・・確認チェック
  2. 「私の話、分かりましたか。」と相手が理解できたか確認する。・・・理解チェック
  3. 「よくわからなくてすみません。」と理解できなかったことを謝る。×
  4. 「どういうことでしょうか。」と理解のためにさらに情報を求める。・・・明確化要求

正解は3です。



【日本語教育能力検定】フィードバックと意味交渉まとめ

以上、フィードバックと意味交渉のまとめでした。

過去問中に出てきた提示質問の過去問まとめはこちらです↓

【日本語教育能力検定】指導技術
【日本語教育能力検定】指導技術/提示・指示質問、IRF/IRE、ティーチャートーク、最近接発達領域(ZPD)令和元年-Ⅰ-問題4、平成29年-Ⅲ-問題13-問4の日本語教育能力検定試験にでた指導技術の過去問の解説です。...

参考文献

ブログランキング

ブログランキングに参加しています。
押してもらえると大変嬉しいです。
ぽちっと押してもらって、各ブログサイトに移れば完了です。ありがとうございます^^


日本語ランキング

にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ
にほんブログ村

RELATED POST