今日の過去問まとめノートは、バイリンガリズムです。
過去問では、バイリンガリズムに関する問題が、
- H27-Ⅰ-問題3-D-(18)
- R1-Ⅰ-問題13-問4
- H30-Ⅰ-問題11-問3
- H28-Ⅰ-問題10-問3、4
- H26-Ⅰ-問題9-問5
- H26-Ⅰ-問題12-問3~5
- R1-Ⅲ-問題11-問1
- H30-Ⅲ-問題13-問3
- H29-Ⅲ-問題15-問2
- H28-Ⅲ-問題12-問1、3~5
- H27-Ⅲ-問題9-問1
にありました。
このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下の記事からご覧ください。
- バイリンガリズムの基礎知識
- 過去問から学ぶバイリンガリズム
- バイリンガリズムに関する過去問の解説
- H27-Ⅰ-問題3-D-(18)正解:3
- R1-Ⅰ-問題13-問4 正解:1
- H30-Ⅰ-問題11-問3 正解:3
- H28-Ⅰ-問題10-問3 正解:1
- H28-Ⅰ-問題10-問4 正解:3
- H26-Ⅰ-問題9-問5 正解:3
- H26-Ⅰ-問題12-問3 正解:3
- H26-Ⅰ-問題12-問4 正解:4
- H26-Ⅰ-問題12-問5 正解:2
- R1-Ⅲ-問題11-問1 正解:2
- H29-Ⅲ-問題13-問3 正解:4
- H29-Ⅲ-問題15-問2 正解:4
- H28-Ⅲ-問題12-問1 正解:1
- H28-Ⅲ-問題12-問3 正解:3
- H28-Ⅲ-問題12-問4 正解:2
- H28-Ⅲ-問題12-問5 正解:1
- H27-Ⅲ-問題9-問1 正解:2
- 【日本語教育能力検定】バイリンガリズムまとめ
バイリンガリズムの基礎知識
バイリンガリズムは、赤本P296~に載っています。
バイリンガリズム
1人の人間もしくは社会が、二言語を使用している状況のこと。二言語併用。
ダイグロシア
社会の中に高変種、低変種2つの言語変種が存在し、場面によって使い分けられている状況。
- 高変種・・・より改まった、公的な場面で使用される言語形式。
- 低変種・・・よりくだけた、私的な場面で使用される言語形式。
コードスイッチング
場面や相手によって使用する言語、言語変種を切り替えること。※バイリンガルの言語切り替え以外にも、方言を使う、使わないの切り替えなども含まれる。
スピーチレベルシフト
丁寧体・普通体の丁寧さを切り替えること。※バイリンガルとは違いますがここでまとめます。
バイリンガルの分類
- 言語能力
- 言語熟達度
- 言語習得時期
などによって分類される。
言語能力によるバイリンガル分類
- 読み書き型バイリンガル(バイリテラル)・・・4技能習得している。
- 会話型バイリンガル・・・会話はできるが読み書きはできない。
- 聴解型バイリンガル・・・聞くことはできるが話すことはできない。
言語熟達度によるバイリンガル分類
- 均衡(バランス)バイリンガル・・・2言語を年齢相応の母語話者レベルで使用可。
- 偏重(ドミナント)バイリンガル・・・1言語のみ年齢相応の母語話者レベルで使用可。
- 限定的(ダブルリミテッド)バイリンガル・・・どちらも十分な言語能力を身に付けていない。
言語習得時期によるバイリンガル分類
- 達成型バイリンガリズム・・・子供時代を過ぎてから2言語使用を始める。
- 獲得型バイリンガリズム・・・幼児期から2言語使用を始める。
獲得型バイリンガリズムはさらに2つに分類される。
- 同時バイリンガリズム・・・子どもが早い段階から同時に2言語を習得する。
- 連続バイリンガリズム・・・子どもが第一言語を習得してから第二言語に習熟していく。
分離基底言語能力モデル(風船説)
バイリンガルが2言語を習得・使用する場合、それぞれ培った知識や能力は別々に機能するという説。
共有基底言語能力モデル(氷山説)
バイリンガルが2言語を習得・使用する場合、別々に機能しているように見えても、実は共有している部分があるという説。
敷居理論
バイリンガルに言語それぞれの習得度と認知的能力の関係を説明したもの。
発達相互依存仮説
バイリンガルは、1言語で習得した認知的な内容について、多言語での活動に移行させられる可能性がある。
生活言語能力(BICS)
生活場面で必要とされる言語能力。2年ほどで習得可能だとされる。
学習言語能力(CALP)
教科学習で必要とされる言語能力。5~7年以上必要だとされる。
- 文脈から離された低コンテクスト
- 認知的負担が大きい
過去問から学ぶバイリンガリズム
コード・スイッチング
- H28-Ⅲ-問題12-問3
- H28-Ⅲ-問題12-問5
二言語基底共有説
- H28-Ⅰ-問題10-問4
学習言語能力(CALP)
- H26-Ⅰ-問題9-問5
- H29-Ⅲ-問題15-問2
バイリンガリズムに関する過去問の解説
H27-Ⅰ-問題3-D-(18)正解:3
会話の中で丁寧体から普通体に交替する現象が問われています。
- コードスイッチング
- アコモデーション理論
- スピーチレベルシフト
- レジスター
丁寧体・普通体の切り替えは、スピーチレベルシフトです。
正解は3です。
R1-Ⅰ-問題13-問4 正解:1
スピーチレベルシフトで、普通体から丁寧体にシフトした時の効果の例が問われています。
例えば夫婦の会話で、
夫:怒ってる?
妻:怒っていません。(丁寧体)
というのは、1聞き手へのよそよそしさや怒りを表します。
正解は1です。
H30-Ⅰ-問題11-問3 正解:3
ダブル・リミテッドについて問われています。
ダブル・リミテッドは、どちらも十分な言語能力を身に付けていません。
日本語と現地語の両方の能力が年齢相応のレベルに達していない状態です。
正解は3です。
H28-Ⅰ-問題10-問3 正解:1
バイリテラルについて問われています。
バイリテラルは、聞く・話す・読む・書く4技能が両言語で発達しています。
正解は1です。
H28-Ⅰ-問題10-問4 正解:3
[ア]によると、母語と第二言語の言語能力は主に[イ]を共有するとされている。ア、イに入る用語が問われています。
- 敷居仮説/学習言語能力
- 敷居仮説/生活言語能力
- 二言語基底共有説/学習言語能力
- 二言語基底共有説/生活言語能力
カミンズは二言語基底共有説で、学習言語能力を共有すると唱えたそうです。
正解は3です。
H26-Ⅰ-問題9-問5 正解:3
生活言語能力(BICS)と学習言語能力(CALP)について問われています。
H28-Ⅰ-問題10-問4で見たように、
CALPは母語で発達していると、第二言語でも発達しやすくなります。
正解は3です。
H26-Ⅰ-問題12-問3 正解:3
威信の高い言語と低い言語が共存している社会が問われています。
- バリエーション
- レジスター
- ダイグロシア
- ダブルスタンダード
社会の中に、
- 高変種・・・より改まった、公的な場面で使用される言語形式。(威信の高い言語)
- 低変種・・・よりくだけた、私的な場面で使用される言語形式。(威信の低い言語)
という2つの言語変種が存在している社会=ダイグロシアです。
正解は3です。
H26-Ⅰ-問題12-問4 正解:4
場面や状況に応じて2言語を使い分ける行動が問われています。
- イマージョン
- スピーチスタイルシフト
- アコモデーション
- コード・スイッチング
コード・スイッチングです。正解は4です。
H26-Ⅰ-問題12-問5 正解:2
個人的バイリンガリズムの連続バイリンガリズムについて問われています。
連続バイリンガリズムは、子どもが第一言語を習得してから第二言語に習熟していくことです。
2:母語が一定程度獲得できてから、もう1つが加わって2つの言語を使用するようになります。
正解は2です。
R1-Ⅲ-問題11-問1 正解:2
BICSとCALPについて問われています。
- BICSもCALPも母語で培った認知能力が発達を妨げる。×→○発達を助ける。
- BICSもCALPもコミュニケーションを介して発達する。○
- CALPはBICSより場面依存的である。×→○CALPは文脈への依存度が低いので、場面独立的。
- BICSはCALPより習得に時間がかかる。×→○CALPのほうが時間がかかる。
正解は2です。
場独立と場依存は、学習者の要因にてまとめました。
- 場独立・・・全体と切り離して部分を見る。環境に左右されない。分析的思考に優れている。
- 場依存・・・部分より全体を見る。社会的スキル、文脈からの判断、流れの把握に優れいている。
H29-Ⅲ-問題13-問3 正解:4
スピーチレベルが切り替わる例が問われています。
スピーチレベルシフト=丁寧体・普通体の丁寧さを切り替えること。
- バイリンガルの友人同士が、内緒話をするときに、言語が切り替わる。
- 方言で話していた二人が観光客に道を聞かれたときに、共通語に切り替わる。
- 日本語学習者が分からない単語を言うときに、日本語から母語に切り替わる。
- 初対面の女性二人が冗談を言うときに、丁寧体から普通体に切り替わる。
正解は4です。
H29-Ⅲ-問題15-問2 正解:4
BICSとCALPについて問われています。
CALPは、
- 文脈から離された低コンテクスト=文脈への依存が低い
- 認知的負担が大きい
です。
正解は4です。
H28-Ⅲ-問題12-問1 正解:1
二言語話者(バイリンガル)について問われています。
言語熟達度により分類したバイリンガルは以下です。
- 偏重(ドミナント)バイリンガル・・・1言語のみ年齢相応の母語話者レベルで使用可。
- 限定的(ダブルリミテッド)バイリンガル・・・どちらも十分な言語能力を身に付けていない。
2言語を同程度に習得していなくても、バイリンガルと呼ぶことができます。
正解は1です。
H28-Ⅲ-問題12-問3 正解:3
会話的コードスイッチングについて問われています。
赤本には、コードスイッチングの区分けはありません。過去問を元に覚えます。
会話的コードスイッチングとは、情報の補足や話題の導入などのために、もう一方の言語を差し込むことだそうです。
正解は3です。
H28-Ⅲ-問題12-問4 正解:2
隠喩的コードスイッチングについて問われています。
赤本には、コードスイッチングの区分けはありません。過去問を元に覚えます。
隠喩的コードスイッチングの例は、
アメリカ駐在の日本人家族の兄弟が、英語の若者言葉で親に内緒の話をすることです。
正解は2です。
H28-Ⅲ-問題12-問5 正解:1
教師が日本語と媒介語を切り替えてコードスイッチングを行うことについて、不適当なものが問われています。
2~4は正しいです。
1:例文提示の前の文法説明は演繹的な指導で、帰納的な文法指導ではありません。
正解は1です。
H27-Ⅲ-問題9-問1 正解:2
日本語や教科の指導について問われています。
学習言語能力(CALP)は、教科学習等に必要な能力です。
正解は2です。
【日本語教育能力検定】バイリンガリズムまとめ
以上、バイリンガリズムのまとめでした。
過去問中にでてきた学習者の要因のまとめはこちらです↓
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