初回のまとめノートは、モーラ(拍)と音節です。
過去問では、モーラ(拍)と音節に関する問題が、
- R1-I -問題1-(3)
- H30-I -問題1-(3)
- H29-I-問題3-A(1)(2)(4)
にありました。
このまとめノートの注意点がありますので、そちらをご覧になっていない方は下の記事からご覧ください。
拍(モーラ)と音節の基礎知識
拍と音節は、赤本P426~に載っています。
用語 | 意味 | ポイント |
拍(モーラ) | 仮名一文字の発音上の単位、等時性を持つ | 拗音(ゃゅょ)は合わせてカウントする |
音節 | 切れ目が感じられない音声連続 | 拗音と特殊拍(ん、っ、-)は合わせてカウントする |
拍は俳句のカウント時に使われます。
- 柿くえば 鐘が鳴るなり 法隆寺 (正岡子規)
- 雪とけて 村一ぱいの 子どもかな (小林一茶)
①は「ほ・う・りゅ・う・じ」と、拗音「ゅ」は「り」と合わせてカウントします。
②は「む・ら・い・っ・ぱ・い・の」と、特殊拍「っ(撥音)」は1拍としてカウントします。
拍の等時性
拍が同じ長さで発音されること。
拍(モーラ)と音節の文字のカウント実例
文字をカウントするときのポイントは、
- 拍・・・拗音をマイナス1する
- 音節・・・拗音・特殊拍をマイナス1する
です。そのポイントを押さえた上で、単語をカウントしてみます。
単語 | カウントのポイント | 文字数 | 拍 <ポイント> 拗音 マイナス1 | 音節 <ポイント> 拗音・特殊拍 マイナス1 |
アイス | なし | 3 | 3 | 3 |
チョコ | ョ(拗音) | 3-1=2 | 3-1=2 | |
ハント | ン(特殊拍) | 3 | 3-1=2 | |
ハット | ッ(特殊拍) | 3 | 3-1=2 | |
ハート | ※ー(特殊拍) | 3 | 3-1=2 |
拍は拗音をマイナス1、音節は拗音・特殊拍をマイナス1します。
※ー(特殊拍)は下記注意点①を参照
注意点①
長音(ー)は母音が伸ばせるものも含みます。(例)塔(トー)、道路(ドーロ)
単語 | カウントのポイント | 文字数 | 拍 | 音節 |
道路 ○ドーロ ×ドウロ | ー(特殊拍/引く音) | 3 | 3 | 3-1=2 |
書くときは「ドウロ」と「ウ」ですが、発声するときは長音(-)なので、特殊拍としてマイナス1でカウントします。
注意点②
拍に関連するフットも覚えます。
用語 | 意味 | 例 |
フット | 2拍のまとまり。リズムを安定させる。 | 「パソ・コン」「ファミ・レス」「月・火(かー)・水」「1・2(にー)3」 |
確かに日本人にとって、2拍ずつが心地よく感じます。
拍(モーラ)と音節に関する過去問の解説
R1-I -問題1-(3)【拍数の変化】正解:1
- 「げつ、かー、すい」
- 「げつ、すい、きん」
- 「かー、すい、もく」
- 「かー、もく、どー」
- 「きん、どー、にち」
1:本来の読み方「か(1拍)」でなくて「かー(2拍)」に変換して読みます。
正解は1です。
H30-I -問題1-(3)【音節数】正解:2
- ちょー・せん・・・2音節
- きょー・い・く・・・3音節
- さん・ぽ・・・2音節
- けっ・か・・・2音節
- か・たん・・・2音節
正解は2です。
H29-I -問題3-A【音節とモーラ】(1)正解:1
モーラの音韻論的性質が問われています。
- 等時性
- 同化性
- 共時性
- 同時性
拍の等時性・・・拍が同じ長さで発音されること。
正解は1です。
H29-I -問題3-A【音節とモーラ】(2)正解:2
仮名1文字がモーラに対応しないものが問われています。
- 「っ」(促音)○
- 「ゃ」(拗音)×
- 「を」○
- 「ん」○
モーラは、拗音を含めて1拍とします。
正解は2です。
H29-I -問題3-A【音節とモーラ】(4)正解:4
特殊拍について不適当なものが問われています。
- 音節末に現れることがある
- 先行拍により音声が決まるものがある
- 音節頭に現れない
- どの特殊拍も子音音素を含む
特殊拍は「ん」「っ」「ー」です。長音「-」は子音音素を含みません。
正解は4です。
子音音素・・・単独では拍にならずに、他の母音音素と組み合わさって拍を形成する音素。(赤本P420)
拍(モーラ)と音節まとめ
以上、拍と音節のまとめでした。
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