今日の過去問は、形容詞です。
過去問では、形容詞に関する問題が、
- H30-Ⅰ-問題1-(10)
- H26-Ⅰ-問題3-D【形容詞】
- H30-Ⅱ-問題6-3番
- H30-Ⅲ-問題1-問4
にありました。
このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下の記事からご覧ください。
形容詞の基礎知識
形容詞は赤本P28~に載っています。
イ形容詞とナ形容詞
イ形容詞 | 辞書形と連体形が同じ形「~い」になる特徴がある。 | 辞書形・・・琵琶湖は美しい。 連体形・・・美しい琵琶湖を写真に撮った。 |
ナ形容詞 | 複数の特徴があるので下記に記載。 |
ナ形容詞の特徴・・・
①イ形容詞と同様、主体の性質や状態を表す。 | 彼女はほがらかだ。 |
②語幹が独立性が高く、文を終止できる。名詞と似ている。 | それとてもすてき。 田中さんは元気? |
③ナ形容詞か名詞で迷うときは、連体形で判断する。「~な」となる。 | 彼は勇敢だ。→勇敢な彼。 ここは賑やかである。→賑やかな場所。 |
④ナ形容詞と名詞の両方の特徴を持つ語もある。 | ナ形容詞・・・祖父は健康だ。→健康な祖父。 名詞・・・願うのはいつも健康だ。→健康の願い。 |
③を見てください。後述する過去問でナ形容詞は「ダ・デアル体」が使われることがポイントになります。
感情形容詞と属性形容詞
感情形容詞 | 人の感情や感覚を表す | イ形容詞・・・楽しい、悲しい、痛い ナ形容詞・・・楽だ、不安だ |
属性形容詞 | 性質や属性を表す | イ形容詞・・・明るい、黒い ナ形容詞・・・有名だ、丈夫だ、便利だ |
感情形容詞は一人称に限られる。
- 一人称・・・○外で遊んで、私は楽しい。
- 一人称以外・・・×外で遊んで、姪っ子は楽しい。→○姪っ子は楽しそうだ。
補助形容詞
補助形容詞は赤本には載っていません。
過去問の問題文より定義を見ます。
- 補助形容詞・・・補助動詞と同様に動詞や形容詞に接続して、状態や動作の様態などを規定するもの。
- 代表的な例・・・ほしい(教えてほしい、来てほしいなど)
ちなみに補助動詞は赤本P78に載っています。
- 補助動詞・・・テ形に接続し、補助的な意味で用いられる動詞。
- 代表的な例・・・食べてみる、置いておくなど
補助形容詞はこの形容詞バージョンと思うと良いと思います。
形容詞に関する過去問の解説
H30-Ⅰ-問題1-(10)【イ形容詞の作り方】正解:4
- 青い
- 黒い
- 赤い
- 黄色い
- 白い
4だけ「色い」が付き、他と違います。
正解は4です。
H26-Ⅰ-問題3-D【形容詞】(16)正解:1
(左)属性形容詞/(右)感情・感覚形容詞の例が問われています。
- 美しい/うらやましい・・・属性/感情
- 懐かしい/うれしい・・・感情/感情
- 楽しい/冷たい・・・感情/属性
- 長い/重い・・・属性/属性
左側が属性形容詞、右側が感情形容詞なのは1です。
正解は1です。
感情形容詞・・・一人称に限られる
こともヒントにできます。
H26-Ⅰ-問題3-D【形容詞】(17)正解:4
形容詞文の主語の認証制限について問われています。
感情形容詞・・・一人称に限られる
ことから
4:感情・感覚形容詞を述語とする文においては、基本的に一人称の主語しかとることができません。
正解は4です。
H26-Ⅰ-問題3-D【形容詞】(18)正解:3
格助詞を伴うことができないナ形容詞が問われています。
格助詞→「を・に・まで・が・より・から・で・へ・と」(覚え方:鬼までが夜からデート)
の「を」を付けてみます。
- 自由を◎
- 平等を◎
- 熱心を×
- 元気を◎
3だけ不自然なので、正解は3です。
H26-Ⅰ-問題3-D【形容詞】(19)正解:2
補助形容詞を用いた例文が問われています。
- 早く帰りたい
- 教えてほしい
- 痛くてつらい
- 降るらしい
補助形容詞の代表的な例・・・「~ほしい」
です。正解は2です。
H26-Ⅰ-問題3-D【形容詞】(20)正解:3
辞書形のままでも異なる品詞の用法を持つイ形容詞の例、が問われています。
名詞をつけてみます。
- 大きい卵
- 早い朝
- すごい雨
- まずいラーメン
全てイ形容詞で、名詞につき連体形になります。
それに加えて、3「すごい」は「すごい寝たね。」「すごい言うね。」など動詞にも付いて副詞の用法も持ちます。異なる品詞の用法を持っています。
よって正解は3です。
H30-Ⅱ-問題6-3番 正解:a
Ⅱの聴解問題です。
学習者が「彼女の好きな色は、黄色いだそうです。」と言います。
- a名詞とイ形容詞の混同
- bイ形容詞とナ形容詞の混同
- c助動詞の活用の誤り
- d推量を表す表現の誤り
正しくは「黄色だそう」です。名詞とイ形容詞の混同です。
正解はaです。
H30-Ⅲ-問題1-問4 正解:4
ダ・デアル体において、イ形容詞の誤用が起こりやすい理由が問われています。
イ形容詞とナ形容詞で、ナ形容詞のみダ・デアル体を使用することを見ました。
- イ形容詞・・・ダ・デアルが付かない
- ナ形容詞・・・ダ・デアルが付く
ダ・デアル体で、イ形容詞の誤用が起こりやすいのは、
4:イ形容詞はナ形容詞と異なり、ダ・デアル体が付かないためです。
正解は4です。
【日本語教育能力検定】形容詞の過去問まとめ
以上、形容詞のまとめでした。
やっぱりⅢの問題は応用なので、Ⅰに比べてもっと難しいと思いました。
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