今日は、音素と異音です。
過去問では、音素と異音に関する問題が、
- H28-Ⅰ-問題3-C-(12)
にありました。
このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下の記事からご覧ください。
音素と異音の基礎知識
音素と異音は赤本P102に載っています。
音素と異音
- 音素・・・個別の言語において同じ役割・機能を持つ音声の集合
- 異音・・・抽象的な音素が具体化したもの
例えば、「笑顔(えがお)」は[egao][eɳao][eɣao]と、「が」が3通りの発音があるのは、以下のように表すことができます。
- 音素・・・/g/
- 異音・・・[g][ɳ][ɣ]
ちなみに・・・
「音素は頭の中の網の目」を聞いて思い出したのですが、
台湾の知人と台湾人の日本語の先生の授業を受けたことがあります。
その時に、「が」の発音が前習っていた日本人の日本語の先生の発音と違って変だと言っていました。
私はその台湾人の日本語の先生の「が」に何も違和感を感じませんでした。
今思えば、日本人より台湾人の方が、「が」に対する音素の網の目が細かいから
その違いを聞き分けられるのかなと思いました。
自由異音と条件異音
自由異音が過去問に出てきましたが赤本には載っていませんので、猪塚恵美子・猪塚元著『日本語の音声入門』を参考にします。
自由異音・・・異音のうち、いつでもどこでも自由に入れ替えても語の意味の区別に関係しない異音。
例えば先ほどの「笑顔(えがお)」の例だと、
[egao][eɳao][eɣao]とどれで発音しても、「笑顔」と認識されるということです。
よって語中で鼻音化するガ行の子音は、自由異音です。
反対に、条件異音があります。
条件異音・・・異音が現れる条件があらかじめ決まっている異音。
撥音「ン」促音「ッ」引く音「-」は、直前または直後の音によって変化するので、条件異音です。
(参考:新田豊. 2016年 日本語教育の検定問題を解く: 平成28年度 日本語教育能力検定試験 解答と解説 . Toshiba. Kindle 版)
音素と異音に関する過去問の解説
H28-Ⅰ-問題3-(12)正解:4
自由異音が現れる条件が問われています。
- 促音
- 長音
- 撥音
- 語中で鼻音化するガ行の子音
自由異音は、語中で鼻音化するガ行の子音です。
正解は4です。
1~3は条件異音です。
【日本語教育能力検定】音素と異音の過去問まとめ
以上、音素と異音のまとめでノートした。
もうそろそろ検定1ヶ月前です。早いです。
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