今日の過去問まとめノートは、アクセントです。
過去問では、アクセントに関する問題が、
- H30-Ⅰ-問題1-(4)
- H29-Ⅰ-問題1-(3)
- H30-Ⅰ-問題3-A【アクセント】
- H29-Ⅰ-問題3-A-(5)
- H30-Ⅲ-問題12-問1
にありました。
本題の前に・・・
先日ヒューマンアカデミー養成講座の実習の先生が、
今から日本語教育能力検定試験で得点を1番得点を上げられるとするなら
試験Ⅱの聴解問題、とおっしゃっていました。
やはり過去問解説本でも言われているように聴解問題は1番パターン化されているので、短期間で得点を伸ばしやすいのだと思いました。
日本語教育の検定問題を解く: 令和元年度-平成28年度 日本語教育能力検定試験 概説
もしまだ聴解問題に取りかかっていない方がいらっしゃれば、早めに取りかかるのが良いと思います。
このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下の記事からご覧ください。
アクセントの基礎知識
アクセントは、赤本P427~に載っています。東京方言をもとにする日本語の共通語のアクセントは、拍を単位とする高低2段の高さ(ピッチ)アクセントです。
アクセントの表現・・・
- 1語の中で高い所・・・山
- 1語の中で低い所・・・谷
①アクセントの規則
- 規則1・・・1拍目と2拍目は必ず高さが異なる。
- 規則2・・・1語の山は1か所のみ。(1拍か、連続した数泊。)山が2か所や、途中に谷ができることはない。
②アクセントの機能
- 弁別(示差)機能・・・同じ音の語をアクセントで区別すること。(例:雨と飴)
- 統語機能・・・語と語の切れ目を示し、どこまでが語のまとまりかを示す働き。(例:「庭には二羽にわとりがいる。」)
③アクセントの型
アクセントの滝・・・アクセントが高から低へかわるところ。低になる直前の最後の高い拍もしくはその直後にアクセントの核があるという。
平板型 | 尾高型 | 中高型 | 頭高型 |
核・・・なし | 核・・・最後の拍 | 核・・・途中の拍 | 核・・・最初の拍 |
④アクセントの特徴:超分節的特徴(プロソディ)
超分節的特徴(プロソディ)は赤本に載っていませんが、過去問に出たのでAmazon Kindleで読める過去問解説本にて用語の意味と例を確認します。(参考:新田豊『2018年 日本語教育の検定問題を解く: 平成30年度 日本語教育能力検定試験 解答と解説 Kindle版』)
- 超分節的特徴(プロソディ)・・・個々の音に限定されない、複数の音に関わる特徴。
- 例・・・イントネーション、リズム、ポーズなど
試験Ⅱの聴解問題で問われる4つの要素(拍の長さ、プロミネンス、アクセント、イントネーション)は、いずれもこれにあたります。
2018年 日本語教育の検定問題を解く: 平成30年度 日本語教育能力検定試験 解答と解説
⑤品詞とアクセントの型
外来語を含め、日本語で1番生産的なアクセントの型・・・後ろから3拍目に核がある(-3型)もしくは平板型(0型)であるとされる。
合成名詞などでは後にくる要素によって、全体のアクセントが決まることが多い。(例:幹事会のように「~カイ」の直前までが高い形になるのが基本。)
アクセントに関する過去問の解説
H30-Ⅰ-問題1-(4)【アクセント】正解:1
アクセントの型を確認します。
- 一喜一憂・・・頭高型+平板型
- 大同小異・・・平板型+頭高型
- 不可抗力・・・平板型+頭高型
- 大盤振舞・・・平板型+頭高型
- 精神誠意・・・平板型+頭高型
1のみ他と相違します。正解は1です。
H29-Ⅰ-問題1-(3)【東京方言のアクセント型】正解:4
アクセントの型を確認します。
- まぐろ・・・平板型
- はまち・・・平板型
- うなぎ・・・平板型
- あわび・・・頭高型
- あなご・・・平板型
4だけ型が違います。正解は4です。
H30-Ⅰ-問題3-A【アクセント】(1)正解:2
アクセントの機能が問われています。
アクセントの機能は、
- 弁別機能
- 統語機能
です。正解は2です。
H30-Ⅰ-問題3-A【アクセント】(2)正解:1
超分節的特徴の例として不適当なものが問われています。
- フォルマント×
- イントネーション・・・超分節的特徴
- リズム・・・超分節的特徴
- ポーズ・・・超分節的特徴
- 超分節的特徴(プロソディ)・・・個々の音に限定されない、複数の音に関わる特徴。
- 例・・・イントネーション、リズム、ポーズなど
正解は1です。
フォルマントとは、実際の音声のスペクトル分析(音声の周波数成分の分析)で分かる周波数のまとまりのこと、だそうです。
(参考:新田豊『2018年 日本語教育の検定問題を解く: 平成30年度 日本語教育能力検定試験 解答と解説 Kindle版』)
H30-Ⅰ-問題3-A【アクセント】(3)正解:4
強弱アクセントの言語が問われています。
- タイ語・・・高低アクセント
- 中国語・・・高低アクセント(声調)
- ベトナム語・・・高低アクセント
- ポルトガル語・・・強弱アクセント
ポルトガル語は強弱アクセントです。正解は4です。
詳しくは言語の分類のまとめノートに記載しています。
H30-Ⅰ-問題3-A【アクセント】(4)正解:2
標準語のアクセントについて問われています。
⑤品詞とアクセントの核より、
合成名詞などでは後にくる要素によって、全体のアクセントが決まることが多いです。
2:複合名詞は、後部要素によりアクセント型が決まることが多い。
正解は2です。
H30-Ⅰ-問題3-A【アクセント】(5)正解:4
日本語の方言のアクセントについて問われています。
4:無アクセントは、東北・関東・九州など一部地域に分布している。
正解は4です。
無アクセントとは、語に対応する特定のアクセント型がないということだそうです。
(参考:新田豊『2018年 日本語教育の検定問題を解く: 平成30年度 日本語教育能力検定試験 解答と解説 Kindle版』)
H29-Ⅰ-問題3-A-(5)正解:3
外来語の一般的なアクセント核が問われています。(例:アスファルト)
⑤品詞とアクセントの核を見てください。
外来語を含め日本語で1番生産的なアクセントの型は、後ろから3拍目に核がある(-3型)もしくは平板型(0型)です。
「アスファルト」を発音してみると、「ファ」にアクセントがあり後ろから3拍目です。
正解は3です。
H30-Ⅲ-問題1-問1 正解:1
東京式アクセント(=標準語)の型が問われています。
平板型 | 尾高型 | 中高型 | 頭高型 |
核・・・なし | 核・・・最後の拍 | 核・・・途中の拍 | 核・・・最初の拍 |
アクセントの滝・・・アクセントが高から低へかわるところ。低になる直前の最後の高い拍もしくはその直後にアクセントの核があるという。
1:頭高型は、語の1拍目の後で音が下がります。
正解は1です。
【日本語教育能力検定】アクセント過去問まとめ
以上、アクセントの過去問まとめノートでした。
過去問中に出てきた、言語の分類のまとめノートは下記の記事です↓
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