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【日本語教育能力検定】モダリティ/拘束的・認識的モダリティ、対事的・対人的モダリティ

【日本語教育能力検定】モダリティ
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今日の過去問まとめノートは、モダリティです。

過去問では、モダリティに関する問題が、

  • R1-Ⅰ-問題3-D【モダリティ】
  • H29-Ⅰ-問題1-(10)
  • H28-Ⅰ-問題1-(9)
  • H27-Ⅰ-問題3-A-(3)
  • H27-Ⅲ-問題2-問1~5

で確認できました。

令和元年の問題では、認識的モダリティ拘束的モダリティというより細かい分類が出ました。

このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下のページからご覧ください。

このブログを読む前の注意点
【日本語教育能力検定】独学まとめノート(過去問分析)を見る前に知ってもらいたいこと2020年10月日本語教育能力検定合格に向けて、養成講座の先生から教えてもらった効率的な勉強法を実践しています。過去問を元に自分のまとめたノート(解説)を載せています。...

モダリティの基礎知識

モダリティは、赤本P51、P84~に載っています。

ただ令和元年の認識的・拘束的モダリティは赤本には載っていません。

なので過去問の問題文も使ってまとめてみました。

命題とモダリティ

日本語は命題とモダリティから成ります。

命題事柄など客観的な部分
モダリティ話者の気持ちや心的態度

具体例を見てみます。

モダリティ命題モダリティ
きっと雨が降るにちがいない。

対事的モダリティと対人的モダリティ

モダリティは2つに分けられます。

的モダリティ命題の内容をどのように話し手が捉えるか表すと思う(非断定)、かもしれない(可能性)、はずだ(確信)、ようだ(推量)など
的モダリティ命題の内容をどのように聞き手に働きかけるかを表すみませんか(勧誘)、んでください(依頼)、みなさい(命令)など

認識的(エピステミック)モダリティと拘束的(デオンティック)モダリティ

的モダリティはさらに2つに分けられます。

認識的モダリティ事態の真偽に対する判断に関するにちがいない(確信ー直感的な意味)、はずだ(確信ー論理的な意味)
拘束的モダリティ主語に課せられた拘束または拘束からの免除を表すなくてはならない(必要)、てもいい(免除)




モダリティに関する過去問の解説

日本語教育能力検定の過去問解説

R1-Ⅰ-問題3-D【モダリティ】(16)正解:4

「認識的(エピステミック)モダリティ」の例、が問われています。

問題文に認識的モダリティは、

  • 意味・・・事態の真偽に対する判断
  • 例・・・「にちがいない」「はずだ」

とあるので、選択肢の中で一番近いのは、「そんなことあるまい」で正解は4です。

「彼が大学に不合格なんて、そんなことあるまい」と言えば、

真偽(彼が大学に不合格)に対する自分の判断(あるまい)になります。

R1-Ⅰ-問題3-D【モダリティ】(17)正解:2

認識的モダリティ「にちがいない」「はずだ」の意味の違い、が問われています。

  • にちがいない・・・確信ー直感的な意味。
  • はずだ・・・確信ー論理的な意味。
直感的合格したにちがいない。きっとそうだ。
論理的合格したはずだ。だってあんなに勉強していたから。(根拠がある)

という感じでしょうか。正解は2です。

R1-Ⅰ-問題3-D【モダリティ】(18)正解:1

「述部の認識的モダリティに対して働く副詞」の例として不適当なもの、
が問われています。

問題文に、

  • 認識的モダリティの意味・・・真偽に対する判断
  • 副詞の例・・・「たぶん」「もしかして」

とあるので、「たぶん」を使って

たぶん雨が降るだろう」の

副詞認識的モダリティ→○呼応している
たぶんだろう

と考えます。

不適当なものを選ぶので、副詞が認識的モダリティに呼応していないものを考えます。

1:「めったに」は「めったに~ない」で「ない」と呼応するので、認識的モダリティの「だろう」とは呼応していません。

副詞認識的モダリティ→×呼応していない
めったにだろう

よって正解は1です。

R1-Ⅰ-問題3-D【モダリティ】(19)正解:2

拘束的モダリティについて問われています。

ル形するほうがいい明日にするほうがいい
タ形したほうがいい明日にしたほうがいい

どちらも意味が同じなので、ル形とタ形のテンスの対立を持ちません。

2:基本的にモダリティ形式の前にル形とタ形のテンス対立を持たない。

正解は2です。

R1-Ⅰ-問題3-D【モダリティ】(20)正解:4

拘束的モダリティー必要、許可の例、が問われています。

必要なくてはいけない行かなくてはいけない
許可てもいい行ってもいい

正解は4です。これは他の問題に比べて簡単です。

H29-Ⅰ-問題1-(10)【行為要求のモダリティ】正解:3

  1. 来な
  2. 来るな
  3. 来ないね
  4. 来てくれ
  5. 来てください

3「来ないね」は要求していません。

正解は3です。

Coco
Coco
1は方言でしょうか?「こな」→「来なさい」と解釈しました。

H28-Ⅰ-問題1-(9)【「勧め・忠告」のモダリティ形式】正解:4

  1. 読むべきだ
  2. 読むといい
  3. 読んだらいい
  4. 読んでもいい
  5. 読んだ方がいい
  • 4以外・・・「勧め・忠告」のモダリティ
  • 4・・・「許可」のモダリティ

正解は4です。

H27-Ⅰ-問題3-A-(3)正解:1

モダリティの分類について問われています。

  1. 対事的/対人的
  2. 仮定的/事実的
  3. 評価的/待遇的
  4. 直接的/間接的

モダリティは、

  • 対事的モダリティ・・・命題の内容をどのように話し手が捉えるか表す
  • 対人的モダリティ・・・命題の内容をどのように聞き手に働きかけるかを表す

の2つに分類できます。

正解は1です。

H27-Ⅲ-問題2-問1 正解:3

「なければならない」と「べきだ」の意味・用法の違いが問われています。

例を考えます。

  • 「行かなければならない」・・・行為の妥当性、義務的な要請
  • 「行くべきだ」・・・行為の妥当性

「いやだけど、塾に行かなければならない。」のように義務的な要請も含まれます。

3:「なければならない」は行為の妥当性に加え、行為が義務的に要請されることが重視されるのに対し、「べきだ」は行為の妥当性を重視する。

正解は3です。

H27-Ⅲ-問題2-問2 正解:1

「東京に来たら、私の家に遊びに来たほうがいいです。」の誤用について問われています。

「熱があるなら、会社は休んだほうがいい。(そうしないともっとひどくなる)」など、

1:「ほうがいい」は、行為を行わないと望ましくない結果になるという含意がある。

正解は1です。

H27-Ⅲ-問題2-問3 正解:2

「べきだ」と「ほうがいい」を過去形にすると、単なる過去とは異なる意味が発生することについて問われています。

例を考えます。

  • 「もっと勉強するべきだった。」・・・勉強していない・後悔や不満の意
  • 「もっと勉強したほうがよかった。」・・・勉強していない・後悔や不満の意

のように、

2:いずれも行為が実現しなかったことに対し、それに対する後悔や不満の意が強調される。

正解は2です。

H27-Ⅲ-問題2-問4 正解:4

義務・必要・勧め・許可に関わるモダリティ形式が含まれない例が問われています。

  1. 冷静になってみたらいいよ。・・・勧め
  2. わざわざ買うまでもない。・・・(不)必要
  3. 彼にやってもらわざるをえないな。・・・必要
  4. 明日こそはしっかり勉強するつもりだ。・・・意志

正解は4です。

H27-Ⅲ-問題2-問5 正解:3

「なければならない」と「なければいけない」について問われています。

  • 「なければならない」・・・日本語学習者用の教科書に多く取り上げられる。
  • 「なければいけない」・・・話し言葉の使用頻度が高い。

話し言葉では、「今日買い物に行かなければいけない。」のほうが「ならない」よりも使います。

3:日本語学習者ようの教科書では「ならない」のほうが多く取り上げられるが、話し言葉の使用頻度は「いけない」のほうが高い。

正解は3です。

モダリティ過去問まとめ

以上、モダリティのまとめノートでした。

頭の中をすっきりさせるために、なるべく文を使わないようにしたいのですが、

このモダリティの過去問はどうしても例で考えて解くので、文が長くなってしまいました。

もっと分かり易い書き方を思いついたら書き直します!

こちらの記事にもモダリティのことについて書いています↓

【日本語教育能力検定】母音の無声化
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