今日は、話す技能の指導です。
過去問では、話す技能の指導に関する問題が、
- R1-Ⅰ-問題5-問3
- H29-Ⅰ-問題4-問2
- H26-Ⅰ-問題4-問1、2、5
- H26-Ⅰ-問題5-問3
- H26-Ⅰ-問題7-問4
- R1-Ⅲ-問題10-問4
- H30-Ⅲ-問題8-問2
- H30-Ⅲ-問題10-問4
- H29-Ⅲ-問題8-問5
- H28-Ⅲ-問題9-問4
にありました。
このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下の記事からご覧ください。
話す技能の指導の基礎知識
話す技能の指導は、赤本P222~にあります。
話す活動
- スピーチ
- プレゼンテーション
- ロールプレイ
- ディスカッション
- ディベート
- プロジェクトワーク
情報差/インフォメーション・ギャップ
話し手と聞き手の間に存在する情報量の差。
選択権/チョイス
会話の参加者が持っている選択の自由。
反応
相手に情報が伝わったか確認しながら話すこと。相手の様子で、自分の反応を変化させる。
ファシリテーター
赤本P253に載っています。
参加者が目的を達成するために手助けをする役目。ディベートなどを円滑に進める援助者。
過去問に学ぶ話す技能の指導
初級のモデル会話
- R1-Ⅰ-問題5-問3
- H29-Ⅰ-問題4-問2
インフォメーション・ギャップ・タスク
- H30-Ⅲ-問題10-問4
ディベート
- H26-Ⅰ-問題4-問5
ロールプレイ
- H30-Ⅲ-問題8-問2
- H29-Ⅲ-問題8-問5
プロジェクトワーク
- H26-Ⅰ-問題7-問4
状況的学習論・・・レイヴとウェンガーが唱えた概念。実践共同体の中で、新参者だった人が1人前の参加者になっている過程を「学習」と捉えた。(赤本P258)
ファシリテーターの役割
- H26-Ⅰ-問題4-問2
- H28-Ⅲ-問題9-問4
話す技能の指導に関する過去問の解説
R1-Ⅰ-問題-5-問3 正解:2
初級のモデル会話を作成する際の留意点が問われています。
2:学習者が自分の言いたい表現に置き換えて応用できるような会話にします。
例えば「~てください。」の文型を学ぶとき、
A:ペンを貸してください。
B:いいですよ。
など学習者が使う表現の会話にすることが大切です。
正解は2です。
H29-Ⅰ-問題4-問2 正解:4
初級のモデル会話について問われています。
4:会話の流れや設定は、簡素化された自然なものが良いです。
正解は4です。
H26-Ⅰ-問題4-問1 正解:4
ディスカッションやディベートを使用する教授法が問われています。
- コミュニティー・ランゲージ・ラーニング
- コンプリヘンション・アプローチ
- オーラル・アプローチ
- コミュニカティブ・アプローチ
ディスカッションやディベートといえば、コミュニケーションが多いコミュニカティブ・アプローチです。
正解は4です。
H26-Ⅰ-問題4-問2 正解:4
ファシリテーターの役割が問われています。
- トピックについて説明し、学習者に理解を促す。
- 学習者に立場を割り振り、立場に合わせた意見を持つよう促す。
- 話し合いの展開を学習者に予測させ、展開に応じた対応の仕方を示す。
- 学習者が見落としている視点等を示し、話し合いが進むようにする。
ファシリテーターは、学習者の手助けをする援助者です。
正解は4です。
H26-Ⅰ-問題4-問5 正解:2
ディベートの特徴で不適当なものが問われています。
1、3、4は正しいです
自分の意見と相違する立場に割り振られることもあるので、
2:学習者自身の主張を尊重した議論が行われるわけではありません。
正解は2です。
H26-Ⅰ-問題5-問3 正解:4
ロールプレイの情報差(インフォメーション・ギャップ)とともに考慮すべき2点が問われています。
- 正確さ、流暢さ
- ビリーフ、スタイル
- ニーズ、レディネス
- 選択権、反応
ロールプレイで大切なことは、
- 情報差/インフォメーション・ギャップ
- 選択権/チョイス
- 反応
の3つです。正解は4です。
H26-Ⅰ-問題7-問4 正解:4
状況的学習論の考え方が生かされている活動が問われています。
- コミュニケーション力の獲得を目指すインタビュー
- 教室内で場面や状況を考慮して行うロールプレイ
- 認知と情意の統合的学習を重視したジャーナル・アプローチ
- 学習活動が社会的実践としての意味を持つプロジェクトワーク
状況的学習論とは、社会活動を通して知識や技能の習得していく過程を「学習」と捉える考え方です。
正解は4です。
R1-Ⅲ-問題10-問4 正解:3
モデル会話の活動に関して、トップダウン的な会話活動の例が問われています。
- 語や定型表現を教える。
- 文型を導入し、練習する。
- 映像で状況を把握させる。
- 語や表現の発音練習する。
トップダウンは既に持っている背景知識などを利用し、予測・推測しながら理解していく言語処理方法です。
細かなことよりも、大まかなことを最初に把握します。
正解は3です。
H30-Ⅲ-問題8-問2 正解:2
ロールプレイで教師が行うことが問われています。
- 間違えた個所をロールプレイ中に明示的に指摘し、修正を促す。
- 言語的に間違えた個所を記録し、後でフィードバックを行う。
- 間違えた場合ロールプレイを中断し、他の学習者に訂正させる。
- 学習者が行き詰まった場合、他の学習者に交替させる。
途中で止めたり、他の学習者に交替したりしません。
学習者が間違えたところを、後でフィードバックします。
正解は2です。
H30-Ⅲ-問題10-問4 正解:2
理解可能なアウトプットを引き出すことのできる授業活動の例が問われています。
- プロセシング・インストラクション
- インフォメーション・ギャップ・タスク
- パラレル・リーディング
- サイト・トランスレーション
インフォメーション・ギャップがあると、お互いの情報を引き出そうと質問・回答をたくさんしてやりとりが活発になります。
お互いにアウトプットが増えます。
正解は2です。
H29-Ⅲ-問題8-問5 正解:3
ロールプレイで使用するロールカード作成の留意点が問われています。
ロールプレイで大切なことは、
- 情報差/インフォメーション・ギャップ
- 選択権/チョイス
- 反応
です。
3:学習者のレベルや活動に合わせて、会話の自由度を調節します。
選択権が有効に使えます。
正解は3です。
H28-Ⅲ-問題9-問4 正解:2
ファシリテーターについて問われています。
2:参加者の考え方や論理の筋道などの思考的なプロセスに関与して、議論を促します。
正解は2です。
【日本語教育能力検定】話す技能の指導まとめ
以上、話す技能の指導の過去問まとめでした。今回で4技能の指導のまとめが終わりました。
まとめてみると、4技能の指導は、散らばってちょこちょこ出題されているなと思いました。
過去問中に出たきた教授法/コミュニカティブ・アプローチの記事はこちらです↓
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