日本語学校の非常勤講師になって3ヶ月経ちました!
自分の備忘録のためにも感じたこと、勉強になったことをまとめたいと思います。
すでに日本語教師をされている方には当たり前の内容だと思いますが…、新米日本語教師の私にとって驚いたこと、面白いと思ったことなどを記します。
1か月目の日記はこちら↓
日本語教師3か月目
宿題チェックが楽しい
授業後に職員室にて宿題チェック、添削をします。(ちなみに私の学校は1コマの授業料に含まれます。)
主に新しい単語と漢字のチェックという文字のチェックですが、これが楽しい!
赤ペンでサッ、サッと丸付けしていると先生になったんだぁ~と実感します。w
その宿題チェックで嬉しかったことがありました。
ある生徒の「ぬ」が全てちょっと変だったので、赤ペンで訂正しメッセージを添えたところ、次の宿題ではきれいな「ぬ」になっていました。
伝わったんだ~と嬉しく思いました^^
しかし後日、その生徒の「ぬ」は元のちょっと変な書き方に戻っていました。>< 癖づいてしまっているんですね。文字の書き方は、最初が肝心なんだなと思いました。
それと宿題チェック、楽しいですがあまりにも神経質にならないようにしています。
全てをきれいな日本語に添削しようと思ったら、きりがないので日が暮れてしまいそうです。やはり外国人が書く日本語は独特ですね。
他の先生の添削を参考にしつつ、大事なところは修正し、神経質になりすぎない!日が暮れないうちに帰ります。w
人間は慣れる生き物
生徒との関係に変化が。3か月目に入り、いい意味でも悪い意味でもお互いに慣れてきました。
新しい先生という新鮮さと、私の新米教師というよく言えばフレッシュ感(悪く言えば、慣れてなさ)で緊張感がある授業ができていたんですが、それがなくなってきました。
この先生はこういうスタイルね~と手の内がばれてきて、授業の興味が失せやすくなってきた気がします。
先日こちらが話しているとき、全員が下を向いているときがあってどうしようかと思いました。w
『心ときめくオキテ破りの日本語教授法』という日本語教師の本に感動して、私もこんな素敵な授業をしたい!と思ったんですが現実には色々と難しいですね・・・
担任の先生が決めた週案にて授業の構成は決まっているので、こなさなければならない課題をしつつ、生徒の興味を引く授業を作らなければなりません。
そこで生徒が興味があるものは何かなぁと考えて思いついたのが、JLPTです。
私が教えるクラスは今度の7月に日本語能力試験(JLPT)N4を受験するので、JLPTへの関心が高いです。
担任とベテランの先生方がJLPT対策の授業をされていて、私は通常の『みんなの日本語』を教える授業なのですが、練習の部分をJLPTの問題風にして取り入れてみました。
音楽を ___ _
★
_ ___ ___ 飲みました。1 を 2 ながら 3 聞き 4 コーヒー
『合格できる日本語能力試験N4・N5』アルク
上記の問題は、言語知識(文法)の並び替えの問題です。
この問題形式を参考に、導入する文法が入った練習問題にしました。するとみんな張り切って問題に取り組んでくれました!(JLPTが終われば、興味も失せるでしょうが・・・)
常に生徒が興味、関心があることを探して授業に取り入れていかないといけないなぁと実感しました。
ちなみにこれに気づかせてくれたのは、同じく未経験で採用された同期の先生の日誌(授業記録)です。
授業後に生徒の様子や引継ぎ事項などを書くのですが、その先生の日誌に「今日は生徒が授業にあまりのってくれなかった。工夫します。」という内容が書かれていました。
それを読んで、そうか、授業ですることは決まっていても工夫することはできる!と気づかせてくれました。
日誌を読むのも勉強になったり、刺激になったりすることがたくさんあります。
新米日本語教師の気づき
新単語導入の重要性
『みんなの日本語』の課を最初に担当する先生は新しい単語の導入しますが、新しい単語を導入する責任は大きいな~と近頃感じています。
生徒はその授業の前に翻訳本を利用して、宿題として新しい単語を覚えてきます。
ところがこの翻訳が「む、む、む」なものも多い。というか言語によって意味や守備範囲が違うのでという感じでしょうか?
まず名詞。例えば「独身」は、我々の認識では、結婚をしていないという意味で恋人がいるかどうかは関係ないですよね。
ところがこの英語訳は「single,unmarried」となっており、ある生徒は「独身=恋人がいない」と認識していました。(※ネパール出身の生徒は英語の翻訳本を使用しています。)
なぜそれがわかったかというと、恋人がいるかどうかの話題になったときにその生徒が「私は独身です。」と言ったからです。
若いし、そうでしょう。と不思議に思っていたのですが、英語訳を見て納得しました。「私は恋人がいません。」と言いたかったんだと思います。
次に形容詞の単語も難しい!
誤用例・・・
- 「恋人がいなくて、気分が悪いです。」→恐らく「寂しい」ということが言いたい。
- 「サッカーの試合で負けて、寂しいです。」→恐らく「悲しい」ということが言いたい。
特に形容詞は言語によって感覚も違うと思うので、新しい単語の導入は難しいなぁと思いました。
最後に新単語導入でベテラン先生のさすが!と思ったこと。「そろばん」の新単語導入のときに、「そろばん」をご自宅から持参されていました。
生徒たちは本物のそろばんを見て、面白そうでした。(日本人の私ですら本物を見たことなかったかも?!)
やっぱり実際に見ると印象に残って覚えるし、興味を引くなぁと思いました。これこそ養成講座で習ったレアリアだ~!と興奮。先生のおもてなしの心を感じました。さすが!
新単語の導入はさらっと流してしまいがちだったのですが、これらの経験から重要なところなので、工夫していかないといけないなと思いました。
まとめ:新米日本語教師3か月目
以上、日本語非常勤講師3か月目の感想でした。
今日はJLPT当日ですね!生徒たちの勉強の成果が出ることを祈ります^^