今日は、テストの種類と条件についてです。
過去問では、テストに関する問題が、
- H30-Ⅰ-問題5-問1~3
- H28-Ⅰ-問題6-問4
- H28-Ⅰ-問題7-問2、3
- H27-Ⅰ-問題6-問2
- R1-Ⅲ-問題15-問4
にありました。
このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下の記事からご覧ください。
テストの種類の基礎知識
テストの種類は、赤本P231~に載っています。
用語説明が多いので、日本語教育能力検定試験 分野別用語集も参考にしました。
①用途によるテストの種類
適性テスト | 語学学習に対する適性を測るテスト。 |
組み分けテスト・プレースメントテスト | 日本語既習者の実力を測り、適切なクラスへ配属させるためのテスト。 |
到達度テスト・アチーブメントテスト | 一定期間の学習の到達状態をみるためのテスト。 |
能力テスト・プロフィシエンシーテスト | 受験者の実力を認定基準に照らし、レベルを測るテスト。 |
②実施目的・結果の解釈によるテストの種類
集団基準準拠テスト | 受験者の成績を他の受験者、または過去の受験者と比較して相対的に位置づけるテスト。相対評価。 |
目標基準準拠テスト | テストの前に目標を設定し、目標に照らして評価を行うテスト。絶対評価。 |
③採点方法によるテストの種類
客観テスト | 答えが1つで採点者の主観が入らないテスト。 | 訂正テスト、クローズド・テストなど |
主観テスト | 学習者に自由に表現させ、総合的な運用能力を見るのに適したテスト。 | 小論文、プレゼンなど |
よいテストの条件
よいテストの条件は、赤本P238~に載っています。
妥当性
テストの作成目的である特定の目標を、どの程度的確に捉えているかの度合い。
以下の3つがある。
- 内容的妥当性
- 基準関連妥当性
- 構成概念的妥当性
信頼性
同じ条件下では、同じ結果が得られるという測定の一貫性、安定性の程度。
信頼性を高める具体例・・・
- 問題文の指示を明確にする。
- 解答例を添える。
- 受験環境が均質である。(音響条件など)
- 採点基準の方針などを決めておく。
有用性
実施しやすいかどうか。
過去問から学ぶテストの種類と条件
プレースメント・テスト
- H30-Ⅰ-問題5-問1
赤本P232にて、熟達度テスト=プロフィシエンシー・テストとなっているので紛らわしいです。用語集ではプロフィシエンシー・テストは能力テストとなっています。
過去問と用語集に合わせて、
- プレースメント・テスト・・・熟達度を測る
- プロフィシエンシー・テスト・・・能力を測る
としたほうが良さそうです。
集団基準準拠テスト
- H28-Ⅰ-問題7-問2
主観テスト
- R1-Ⅲ-問題15-問4
テストの妥当性
- H30-Ⅰ-問題5-問3
- H28-Ⅰ-問題7-問3
テストの種類・条件に関する過去問の解説
H30-Ⅰ-問題5-問1 正解:2
熟達度評価として行われるテストの種類が問われています。
- 適性テスト
- プレースメント・テスト
- コースの定期テスト
- 単元テスト
熟達度を測るのは、プレースメント・テストです。クラス分けをするために熟達度を測ります。
正解は2です。
H30-Ⅰ-問題5-問2 正解:3
訂正法のテスト形式の例が問われています。
誤:わたしは誰かに足をふみました。
答え:ふまれました
のように訂正するテストが訂正法です。
正解は3です。
H30-Ⅰ-問題5-問3 正解:2
妥当性を損なう要因の例が問われています。
- 問題文の指示が不明確。
- 聴解テストで、選択肢の漢字が読めない。
- 選択肢が少なく、適当に選んでも相当数正解になる。
- 聴解テストで、外がうるさい。
妥当性が損なわれるとは、テストで測定する能力が適切に測定できないことです。
聴解テストなのに、漢字が読めなくて答えられないのは聴解で測定したい能力と関係ないことのせいで答えられません。
正解は2です。
H28-Ⅰ-問題6-問4 正解:3
クローズテストの説明が問われています。
先週、わたしは おおさかへ( )ました。
いろいろな たべものを( )ました。
のカッコを埋めるような問題がクローズテストです。
3:文章に一定間隔で設けられた空欄を適切な文字や語で埋めます。
正解は3です。
似た用語でクローズド・クエスチョン(赤本P226)があります。
「はいorいいえ」や2者択一の形式で問う質問のことです。
私はこの用語に引っ張られて、選択肢2「与えられた選択肢の中から選ぶ」を選んでしまいました。
クローズテストとクローズド・クエスチョンはどちらとも『close』で閉じた質問・テストという意味ですが、クローズド・クエスチョンは穴埋め問題です。
H28-Ⅰ-問題7-問2 正解:1
集団基準準拠テストについて不適当なものが問われています。
2~4は正しいです。
1:目標に対する個人の到達度を測ることが目的は、目標基準準拠テストについての記述です。
正解は1です。
H28-Ⅰ-問題7-問3 正解:2
テストの妥当性について問われています。
妥当性は、
2:そのテストで測定しようとする能力が適切に測定できるかどうかです。
正解は2です。
H27-Ⅰ-問題6-問2 正解:3
コース内に実施するテストが問われています。
- プレースメントテスト
- クローズテスト
- 到達度テスト
- 言語学習適性テスト
コース内で行うのは、一定期間の学習の到達状態をみるためのテスト=到達度テストです。
正解は3です。
R1-Ⅲ-問題15-問4 正解:3
主観テストの特徴が問われています。
主観テストは、小論文やプレゼンなどです。決まった正答がないので、
3:結果の信頼性の確保することが困難です。
正解は3です。
テストの種類・条件の過去問まとめ
以上、テストの種類・条件のまとめでした。もう10月になりました!2020年もあと3ヶ月なんて早いですね。
日本語教育能力検定まであと25日です。あともう少しです。最後まで頑張りたいと思います。
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