今日の過去問まとめノートは、言語と社会の関係、言語政策です。
過去問では、言語と社会の関係、言語政策に関する問題が、
- R1-Ⅰ-問題12-問1~3
- H27-Ⅰ-問題7-問1
- H27-Ⅰ-問題12-問1~5
- H26-Ⅰ-問題12-問1
- H29-Ⅲ-問題7-問1
- H29-Ⅲ-問題12-問1
- H27-Ⅲ-問題11-問3
にありました。
このまとめノートを見る前に知ってもらいたいことがありますので、ご覧になっていない方は、まず下の記事からご覧ください。
言語と社会の関係基礎知識
言語と社会の関係は、赤本P328~に載っています。
多言語主義
ある社会において、複数の言語が併存している状態。
複言語主義
個人が複数の言語を使用し、その言語レベルはその人の生活形態によって差があっていいとする考え方。
CEFR
ヨーロッパ言語共通参照枠組み。複言語主義を背景に、「~ができる(Can-do)」の形で言語能力を測定できるよう設定した。
言語権
自らが望む言語を自由に使用できる権利。
マルチリンガリズム
国や地域社会で3つ以上の言語を使用すること。
スティグマ
レッテル貼りの意味。何をスティグマと見なすかは社会で違う。外国人である、顔が日本人と違うなどが状況によってスティグマになり得る。
言語政策の基礎知識
言語政策は、赤本P332~に載っています。
リンガフランカ
共通言語のこと。異なった言語を話す者同士で意思疎通のために使用される言語。現在は英語を指す場合が多い。
カナダ/フレンチイマージョン教育
カナダで行われているイマージョン教育。英語話者の学生を、フランス語で行われる教科授業の中に置き、その中でフランス語を学んでいく。
- 文法的に正しいフランス語を使えるようになるとは限らない。
- 社会的・文化的に適切な言語使用感覚が身に付かないことが多い。
などの問題点も指摘されている。
日本/アイヌ語
アイヌ語は主に北海道にい居住するアイヌ民族が使用する言語。
ユネスコの調査で「最も危険な状態にある言語」とされた。その後、北海道アイヌ協会などにより各地でアイヌ語教室が開かれ、少しずつ話者が増えている。日本政府は1997年にアイヌ新法を公布し、初めてアイヌ民族を日本民族と異なる独自の民族として法的に認めた。
過去問から学ぶ言語と社会の関係、言語政策
スティグマ
- R1-Ⅰ-問題12-問2
- H27-Ⅰ-問題12-問3
フレンチイマージョンの問題点
- H27-Ⅲ-問題11-問3
言語と社会の関係、言語政策に関する過去問の解説
R1-Ⅰ-問題12-問1 正解:1
公用語が複数定められている国が問われています。
- カナダ・・・英語、フランス語/フレンチイマージョン教育
- タイ
- ドイツ
- ブラジル
正解は1です。
R1-Ⅰ-問題12-問2 正解:3
スティグマについて問われています。
3:偏見により社会的に否定的な評価を与えられたアイデンティティ
正解は3です。
R1-Ⅰ-問題12-問3 正解:3
少数派の言語権を守るための取り組みの例が問われています。
- 多数派言語の方言形を使用することを制限する。×
- 義務教育で使用する標準語と標準表記を確定する。×
- 少数派言語の話者に母語学習の機会を保障する。○
- 司法の場では平等を重視して一つの言語に統一する。×
正解は3です。
H27-Ⅰ-問題7-問1 正解:4
ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の背景にある理念が問われています。
- 単一言語・単一文化主義
- 二言語・二文化主義
- 多言語・多文化主義
- 複言語・複文化主義
CEFRは、複言語・複文化主義を背景に作られました。
正解は4です。
複言語主義・・・個人が複数の言語を使用し、その言語レベルはその人の生活形態によって差があっていいとする考え方。
H27-Ⅰ-問題12-問1 正解:3
国や地域社会で3つ以上の言語を使用する社会が問われています。
- ダイバージェンス
- ダイグロシア
- マルチリンガリズム
- バイカルチャリズム
マルチリンガリズムは、赤本に載っていません。
マルリチンガル・・・3つ以上の言語を話す人のこと。(赤本P296)
正解は3です。
H27-Ⅰ-問題12-問2 正解:4
公用語が1つであっても、それ以外の言語を使用する社会が問われています。
- インド
- シンガポール
- スイス
- フランス
公用語が1つなのはフランスです。
正解は4です。
H27-Ⅰ-問題12-問3 正解:3
社会的に差別され、否定的なアイデンティティを持つようになることが問われています。
- コンプレックス
- プレステージ
- スティグマ
- タブー
レッテル貼りの意味のスティグマです。
正解は3です。
H27-Ⅰ-問題12-問4 正解:2
少数派言語社会で、再び言語が活力を取り戻し、話者数が増加することが問われています。
- 言語忠誠
- 言語復活
- 言語保持
- 言語拡散
正解は2です。
H27-Ⅰ-問題12-問5 正解:4
明治政府の同化政策によって使用が制限され、母語話者数が著しく減少したが、1997年に文化振興法が制定されたことにより、講習会やインターネットで普及活動が行われている言語が問われています。
- 奄美語
- 八丈語
- 八重山語
- アイヌ語
日本政府は1997年にアイヌ新法を公布し、アイヌ民族を日本民族と異なる独自の民族として法的に認めました。
正解4です。
H26-Ⅰ-問題12-問1 正解:1
異なる言語話者が互いの母語とは異なる言語を共通語として使うことが問われています。
- リンガフランカ
- スラング
- スティグマ
- ドメイン
共通言語は、リンガフランカです。
正解は1です。
H29-Ⅲ-問題7-問1 正解:4
CEFR A2レベルについて問われています。
4:身の回りの状況や日常の事柄なら簡単な言葉で説明できる基礎段階の言語使用者。
正解は4です。
H29-Ⅲ-問題12-問1 正解:1
公用語について問われています。
1:行政・教育・メディアなどが、公的な業務において使用する言語です。
正解は1です。
H27-Ⅲ-問題11-問3 正解:3
カナダのイマージョン教育の問題点について問われています。
フレンチイマージョンは、
- 文法的に正しいフランス語を使えるようになるとは限らない。
- 社会的・文化的に適切な言語使用感覚が身に付かないことが多い。
という問題点も指摘されています。
3:流暢だが、文法的な正確性に欠けた会話をする生徒が多い。
正解は3です。
言語と社会の関係、言語政策過去問まとめ
以上、言語と社会の関係、言語政策のまとめでした。
イマージョン教育についての記事はこちらです↓
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