瞑想に科学的根拠はあるのでしょうか?
このページでは、
をお伝えします。
藤井義彦『できるビジネスマンは瞑想をする』という本を元に、書いています。
脳に関する科学的研究
脳波が特殊
瞑想中には、
- 眠っているときに出る脳波
- 目覚めているときに出る脳波
が両方とも出ていることが分かりました。
瞑想中の脳波を計測した結果、脳の前頭部と頭頂部からアルファ波とシータ波の増大が見られました。
これらは通常、睡眠中に見られるもので精神が安定し、心が安らいでいる状態の時に発生する脳波です。
同時にベータ波も検出されました。ベータ波は目覚めているときに現れる脳波で、脳が活動しているときに見られるものです。
睡眠中と活動中の脳波が同時に出ているという特殊な状態だということを、脳波が科学的に示しています。
瞑想中は安らぎに満ちた機敏さと言う独特の意識状態で、
- 目覚め
- 夢
- 睡眠
とは異なる「第四の意識」とも呼ばれています。
脳機能を秩序立てる
瞑想中の意識は安定し、脳機能が秩序立っていることが確認されました。
脳の各部分から波形のよく似た脳波が出ていることがわかりました。これは脳機能の秩序が高まっていることを意味します。
瞑想を長く続けている人の方が、より顕著であることも確認されました。
脳波とは脳から発生する電位変動のことで、精神活動や意識水準に伴って変動します。
よって脳波を調べれば精神や意識の状態を知ることができます。
体の変化に関する科学的研究
心拍数の変化
平均年齢25歳の人を対象に、心電図を使って瞑想前と瞑想中とで心拍数の変化を調べました。
結果、一分間で心拍数が瞑想中は平均して5拍低下し、血液の排出量も減少していました。
心臓は寝る時ももちろん動いています。瞑想の深い休息状態では、心臓にちょっとした休みを与えていることが分かったのです。
血圧の変化
高血圧症の人が瞑想をする前と、日常的に瞑想を実践した後で、血圧の変化を調べました。
結果、最高血圧、最低血圧ともに瞑想実践後の血圧は低下していました。
高血圧は血管の損傷に繋がり、心臓まひなどの心臓病や脳梗塞などに結びつきます。
瞑想が高血圧に良い効果を与えるということがわかったのです。
心臓や脳はストレスを受けると防御態勢を取ります。そのため血液量が増加し血圧が上がります。
ストレスを受けた状態が日常化すると体が適応してしまい持続的に血圧が上がったままとなります。
血圧が持続的に高いと、動脈の緊張は高まり、それがまた血圧をあげるという悪循環に陥るのです。
ストレスが血圧上昇に繋がってしまいますが、瞑想で心が安らぎ、体が深い休息状態になることで、ストレスが解消され、高血圧や心臓病の予防に役立つと考えられています。
不眠を改善
瞑想は不眠改善に即効性があり、持続的に効果があるという研究があります。
慢性不眠症の人を対象に、瞑想する30日前までと瞑想後30日間で、就寝から眠りにつくまでに要した時間の平均を取り違いについて調べました。
瞑想を始める前は入眠までに70分以上かかっていたのが、瞑想を始めてからは15分で眠れるようになったという結果が出ました。
瞑想を始めてから1年後に調査した結果、その効果は維持されていることも確認されています。
心・精神に関する科学的研究
休息を深める
瞑想中の酸素消費量を調べ、代謝の状態を検証した研究があります。
実験の結果、目覚めているときに比べて、瞑想中は酸素消費量が16%減少していることが分かりました。
睡眠時の酸素消費量の減少は8%であり、それと比較して二倍の減少幅。
また瞑想中には二酸化炭素の排出量も減少し、呼吸は浅く、呼吸数も減少していることが確認されました。
この結果より、瞑想中には睡眠のときよりもさらに大きく代謝が減少し、人間の体が睡眠よりもさらに深い休息状態であることが確認されました。
なぜ酸素量を計測したかといういと、人間は生命活動を維持するためブドウ糖を分解してエネルギーを作り出すから。
このとき酸素が消費されて二酸化炭素が排出されます。
これを代謝と呼び、人間が活発に活動しているときほど代謝量は増え、深く休息している状態のときほど代謝量は減少します。
目覚めているときに比較して、睡眠時には代謝量が減少します。
ストレスと疲労を除去
瞑想がストレスとともに疲労を除去する裏付ける研究もあります。
瞑想中の血液の乳酸塩の濃度を調べた研究です。
乳酸塩は疲労物質で、激しい運動の後に起こる筋肉痛もこの疲労物質によるものです。
不安やイライラした時も血液中の乳酸塩濃度が高くなります。
乳酸塩濃度はストレスと疲労の度合いを測るバロメーターと言えるのです。
結果、瞑想中は乳酸塩の濃度が著しく減少し、その減少速度は睡眠によるものと4倍速いことがわかりました。
乳酸塩濃度の低い状態が瞑想後もしばらく維持されることが確認されました。
自律神経を安定させる
瞑想実践者は、瞑想を行っていない人が目を閉じてリラックスした時よりも自律神経が著しく安定していることがわかりました。
電気皮膚抵抗反応(SSRR)というものを調べることで行われました。
SSRRとは、皮膚に何も刺激を与えない状態での電気抵抗の変化を見るという実験で自律神経の安定性を示すものです。
瞑想は自律神経失調症にも効果があると確認されています。
不安感を除去
瞑想が不安感の除去に役立っているという研究があります。
- 不安
- 緊張度
- 罪悪感
- 自己感傷発達
- 利己心の強さ
- 偏執傾向
といった要素の分析を行ったものです。
結果、瞑想をしていない人は不安尺度で40近くあったのが、瞑想を8週間実践している人では、9減少しました。
さらに瞑想を長く続けるほど不安の度合いが大きく減少していくことが確かめられました。
不安は知覚、運動、知性、感情の働きを大きく妨げます。
不安があると前向きに行動ができず、悲観的になり、活動が委縮します。瞑想はその不安を減少させ、心を健康に導くのです。
能力に関する科学的研究
分析能力の向上
周囲に惑わされずに特定の対象物に集中する能力を測定する実験が行われました。
この研究は瞑想を3ヶ月実施している人と、瞑想をしていない人を比較し、
- 集中力の増大
- 方向感覚の増大
- 視野の拡大とかく乱への抵抗
という3つのテストを行っています。
この研究で物事を正確に知覚する分析能力を確かめることができます。
結果、集中力と方向感覚に関しては35%、視野の拡大などに関しては10%の向上が見られました。
この研究は瞑想には神経系の改善と知覚能力の向上の効果があることを示しています。
基本的な知覚能力は青年期以降は伸びないとされているにもかかわらず効果が出たのです。
創造性の向上
創造性の向上に関する研究です。
瞑想を平均1年半実施しているグループと始めたばかりのグループで創造性能力の比較しました。
トランスの創造的思考テストという試験を行いました。
この試験は優れた科学者、発明家、作家などに見られるような創造的な思考形態を探すために開発されたもので、
- 流暢性
- 柔軟性
- 独創性
という3つの基準があります。
結果、3つの基準いずれにおいても、長期間瞑想を実施しているグループの方が好成績を上げました。
瞑想を続けることで創造性が開発されるという結果がでたのです。
反応時間の短縮
瞑想により反応時間が短縮するという研究があります。
瞑想と仰向けで休息することで、反応時間の変化を比較しました。
瞑想を行った人の場合、反応時間が瞑想後の方が短くなります。仰向けになって休息した人では、休息後のほうがかえって反応が長くなります。
よって瞑想が単なる休息状態とは違い、機敏さと注意力を向上させるものだという結果が出ました。
注意力・知覚能力の向上
鏡映描写テストという鏡に映ったパターンを混乱せずに写せるかを速さと正確さを調べるテストが行われました。
このテストで
- 注意力
- 知覚能力
- 神経や筋肉の動きを統合する能力
を調べます。
結果、瞑想を実施している人の方が早さでも正確さでも大きく上回りました。
学習能力開発の向上
学習能力開発の効果を調べた研究です。
短期と長期の記憶回復力に関する研究、計算問題を正確に早く解く能力を調べた研究があり、両者とも瞑想による効果が認められています。
瞑想の科学的研究まとめ
以上、瞑想の科学的研究についてでした。
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